看護師転職サイトは転職を考えている看護師に注目されていますよね。慢性的に忙しい職場で働くなか、水面下で転職活動をしたい看護師にとっては、とても助かります。
看護師転職サイトに無料登録をして、一度担当者(キャリアコンサルタント)と面談をする流れが一般的です。
面談で現状や新しい勤務先の希望や条件を伝えておくことで、あまたある求人のなかから、ピッタリの案件を提案してくれるのが魅力で、面接に同行してくれる看護師転職サイトも多くあります。
けれどもこの転職活動が本当に良い職場との出会いに繋がるのか…、疑問を抱く方々も多いですよね。
そこで今日は、この看護師転職サイトを利用する前に理解しておきたい、今の求人の流れや仕組み、評判までをお伝えします。
看護師転職サイトは本当に有効?
理解したい3つの事柄
看護師転職サイトに向いている人
最近では看護師転職サイトも、医療業界でも広く知られるようになり、転職を検討している看護師にとっては魔法のように「万能」なイメージを持つ方も多くいます。
けれども必ずしも誰もが、看護師転職サイトを利用すると、理想の職場に入職出来る訳ではありません。反対に看護師転職サイトを利用したことで、問題が長引く看護師もいます。
…ではどのような看護師が向いているのか、下記にまとめてみましたので、ご参照ください。
【 看護師転職サイトに向いている人 】
① 明確なキャリアプランの元、転職をする人
…自分の長期的なキャリアプランを持っている人や、「働きたい専門分野」が明瞭な看護師の場合、看護師転職サイトは有効です。
→ 担当者が的確な案件を提案できるのはもちろんですが、看護師転職サイト側は内部の情報まで詳しく確認することが出来るため、より希望に沿った業務内容が入職後に期待できる職場を紹介することが出来ます。
例えば、30代で「部下を持ちたい、指導したい」と転職を決意したとして、20代30代の若い世代に積極的にリーダーを任せている病院もあれば、40代50代以上のベテランナースがメインの職場で年功序列の病院もありますよね。
年功序列を優先する病院で40代50代のベテランナースが数多く活躍している病院となれば、チーフになるまでに10年以上は掛かることになります。
自分で転職活動をしていると、現場を見学して少しは様子をチェック出来るものの、なかなか正確な内部事情までは確認できません。
一方、看護師転職サイトでは担当者に相談をすることで、内部事情も細かく確認してくれますから、希望のキャリアを積むための転職が、よりしやすいです。
② 明瞭な希望年収を掲げている人
…夜勤や残業…、時には「ブラック仕事」とも言われがちな看護師の現場…、やりがいや奉仕精神だけでは成り立ちません。やはり、「報酬」と言うハッキリしたモチベーションは不可欠ですよね。
→ 看護師転職サイトでは、病院と転職したい看護師の希望をマッチングすることが目的なので、病院側の給与や勤務形態、待遇はしっかりと把握しています。
看護師が転職をする時、なかなか面接時にハッキリと確認出来ない事柄が「収入」です。けれども、心が擦り減るような業務内容も多い看護師だからこそ、収入は評価にも繋がり、大きなモチベーションです。
自分で確認せずとも、担当者が事細かに確認してくれる看護師転職サイトは、とても助かるのではないでしょうか。
③ 前職の経験で不安を抱え、相談をしたい人
…転職を検討し始めた看護師には、すでに現職の人間関係やハードワークで、神経をすり減らしてしまった方も少なくありません。これでは、「積極的に」「前向きに」転職活動を進めたくても、負荷が伴います。
→ 面接とは違い、看護師転職サイトの担当者は、採用不採用や評価を考えずに気軽に相談が出来るうえに、医療業界や看護師業界特有の事情や苦労にも精通している「専門性の高い第三者」です。
仕事に慣れてきた入職1年前後で、辞めたくなる看護師も多いですよね。けれども病院側から見た評価基準としては、1年前後での転職を繰り替えす看護師は信用しきれません。
このことをよくよく知っている担当者であれば、「採用されやすい年数」を伝え、それまでの勤続を勧めます。そこで思いとどまる看護師も多いです。
看護師転職サイトに不向きな人
一方、「看護師転職サイトに向いている人」とは反対に、ただ漠然と看護師転職サイトを利用している場合には、まだ上手に賢い利用がしにくい傾向にあります。
【 看護師転職サイトの利用に不向きな人 】
① 退職後のキャリアプランが不明瞭な人
…転職したい看護師には、「現職の職場から抜け出したい!」気持ちばかりが先行しているケースは数多くありますよね。決してそれが悪い訳ではありません。ただ、一度自分の希望をまとめる時間は必要です。
→ 現職を辞めたい理由をノートに書きだして棚卸しをし、「ではどのような環境なら、長続きするのだろうか…」を検討してください。
漠然と「嫌な人がいる…」と言う退職理由の場合、新しい職場でも同じような「嫌な人」が現れてしまうケースも少なくありません。
成功した一例では、人間関係につまづき転職を繰り返してきた看護師が、総合病院の看護師が「女性同士の人間関係が苦手」だと気づいた事例があります。
そのため大勢のなかで神経をすり減らすのではなく、人数が少なくアットホームな訪問看護を専門とした、地域密着型のクリニックに転職をしました。
クリニック全体がひとつのチームとなって訪問看護を行い、看取り医療を大切にしている現場です。
結果、看護師自身もこの分野で患者様やその家族と寄り添い関わることを生き甲斐と感じ、皆でひとつの医療を見つめるチーム医療によって、良好な人間関係に囲まれ、転職を繰り返すことがなくなった事例があります。
② 流されやすい人
…①のキャリアプランが明瞭でない人とも重なるのですが、漠然と転職活動をしていると、ついつい看護師転職サイトの担当者の「押し」に流され、結果的に現職と同じような職場環境に身を置くケースが多いです。
→ 結果的に同じ問題や悩みが生じ、転職を繰り返す悪循環に陥ります。
…また、流されやすいタイプには、募集要項の年収や待遇ばかりを気にして転職活動をする傾向も見受けられますが、これも危険です。
高収入の裏にはハードワークは付き物ですし、高収入や好待遇に舞い上がってしまうことで、キャリアアップを望める環境なのか…、現場の雰囲気は良いのか…、など、「働きやすさ」へ目が向かなくなるかもしれません。
病院から評判の悪い「看護師転職サイト」とは
看護師転職サイトのなかには、肝心の病院側からの評判が良くないものもあります。
もちろん、そのなかでも営業や担当者(キャリアコンサルタント)の質の良さで、良い評判を保っている看護師転職サイトもあります。
ただ一部の看護師転職サイトによって、看護師転職サイト全体が敬遠されてしまっている事情も出てきました。ですから、「病院から評判の良い」サイトを利用する事は、実はとても重要です。
【 病院から見た看護師転職サイト 】
① 病院側は手数料を支払っている。
… 看護師転職サイトを転職したい看護師側が無料で利用できるのは、病院側がサイトに手数料を支払っているからです。
→ 一般的な看護師転職サイトでは、一人の看護師の年収の2割前後をサイトに支払っていますので、病院としてはサイト利用にそれだけコストを掛けています。
② 実にならない看護師転職サイト
… 医療業界では知人友人からの紹介も多いですよね。転職した側としては、知人友人の顔を考えるとなかなか辞めることが出来ません。一方看護師転職サイトを通した転職では、このような配慮が少ないです。
→ そのために今の医療現場では、看護師転職サイトを通して入職した看護師の入職後間もない退職や、突然の退職が問題になっています。
最近ではある朝突然出勤しなくなり、電話しても繋がらない…、などなどの事例も増えてきました。
これはもちろん、看護師本人の人間性の問題もありますが、看護師転職サイトが業績を第一に考えて、登録者と向き合って転職活動を進めていないケースもあります。
例えば、そもそも看護師本人はその転職に乗り気ではなかったものの、強く「NO!」が言えないタイプで、それを薄々気付きながらも、担当者(キャリアコンサルタント)も業績を優先して、その案件を強行した場合などです。
このような看護師転職サイトでは、突然の退職やすぐに辞める紹介者が多発することになり、病院側も敬遠してしまいます。
いかがでしたでしょうか、今日は看護師転職サイトを上手に賢く利用するためにも、理解しておきたい病院側の本音と、利用する人の向き不向きもお伝えしました。
評判の良い看護師転職サイトを探すには、複数無料登録をしながら転職活動を続けてください。
そして、自分でも現場見学などを怠らず、サイト自体の評判や面接時の病院側の反応からも察知できるよう意識することが肝心です。
また、看護師転職サイトでの転職活動と共に、同僚や先輩からの紹介や、自分でHPなどを確認しながら直接的に応募する方法も取り、複数平行した転職活動を行うことをおすすめします。
まとめ
看護師転職サイトは本当に有効か
・キャリアプランが明瞭な人には有効
・希望年収が明瞭な人には有効
・専門的な第三者へ相談したい人には有効
・漠然とした転職には向いていない
・流されやすい人には向いていない
・病院から評判の悪いサイトを見極める
・自分でも平行して転職活動を進める