看護師が転職をする時、面接は最も緊張するシーンですよね。特に生命に関わる専門職であり、倫理観も必要とされる看護師の転職では、面接時にその技術や経験だけではなく、「看護観」なども問われる事例は多いです。
そんななかだからこそ、看護師転職では面接こそ、自分をアピールする絶好の機会とも言えますが、「相手側からの思わぬ質問に、しどろもどろで自分を発揮できなかった・・・。」などの経験談は、意外と多く聞こえます。
「大丈夫かな…。」と不安になりがちですが、実は、看護師転職時の面接にはある程度決まった「型」があるので、それを知っておけば慌てなくても大丈夫です!
そこで今回は、看護師の転職シーンで、面接時に良く聞かれる質問と回答例をまとめてみました。是非参考にしてください♪
【看護師転職の面接時に良く聞かれる10の質問はコレ!】
【1. 「自己紹介をしてください」 】
一般的な自己紹介では、名前、年齢、学歴を伝えますが、看護師転職時の面接では、「簡単な経歴」と「自分の特長」を上手にアピールできれば好印象です。
[ 看護師転職時の面接☆自己紹介 ]
★ 例:○山○子、31歳です。○○看護学校を卒業後、○○病院○○科に5年勤め、基礎から専門性までを一通り学びました。
この5年で学んだ○○分野のスキルを活かし、さらに知識を深めながら働きたいと考え、○○科の医療に最も力を入れている御院に応募いたしました。以上です。よろしくお願い致します。
看護師転職での面接で「自己紹介を」と言われた場合は、名前から始まり、自分の経歴を簡単に紹介しますが、さらに自分の得意とするところや意気込みなどを、面接先の病院(等)の特長を交えながら付け加えると効果的です。
最後に「以上です。よろしくお願いします。」と締めれば、看護師が転職する面接でも、「ポジティブな方向転換だな…」と受け止められやすく、やる気も伝わります。
【2. 「退職(転職)理由は何ですか?」 】
前項でもお伝えしたように、看護師が転職する時の面接では、「いかにポジティブな方向転換なのか」をアピールすることが、大切なポイントです。そのためには、「目標」はその意欲がよく伝わります。
[ 看護師転職時の面接☆プラスの理由や目標 ]
★ 例:5年間○○科の病棟看護師として働いてまいりましたが、よりチーム連携を取って患者様の身近でより○○科を専門的に学んでいきたいと思うようになり、退職致しました。
御院はその○○科の専門病院で学びが深められますので、是非長く働かせていただきたいと思っております。
採用側は何か不満があったとき、問題が生じたととき、すぐにまた辞められてしまうのではないかということを気にしています。ですから看護師が転職する時の面接では、①「相手側が納得の出来る理由」と②「期待の出来る目標」を伝えることができるよう、準備をしてください。
それが仮に結婚や出産、夫の転勤を期に退職した看護師の転職時なら、面接では身の回りの状況は落ち着き、これからは長く働くことができることをアピールします。
【3・ 「志望動機は何ですか?」 】
大卒の就活とは違い、中途採用となる看護師の転職では、面接の時に「この病院だからこそ」転職を決意した…、と伝わる方が採用されやすいです。そのためには、志望する病院の特徴と自分の希望と合わせた、具体的にアピールがポイントです。
[ 看護師転職時の面接☆志望動機でアピール ]
★ 例:前の職場ではいくつかの科をまわり、癌患者様と接する機会が多くありました。
何度か最期に立ち合わせていただくこともあり、その方の最期は本当にこれでよかったのか、とターミナルケアについても考えるようになりました。
御院はそのターミナル医療、ケアの専門病院であり、より専門的に学べ、寄り添った看護ができると思い、志望いたしました。
特に看護師の転職シーンでは、面接の要となるのは、この志望動機です。そのため看護師の転職で面接を控えているなら、まず志望動機を考える前に、転職先の病院等の特長をしっかりと調べてください。
採用側は看護師が転職する時、面接時に自分達の病院特長を理解しているかどうか…、その上で志望していることを積極的に伝えているのかを見ています。そして、熱意も自然に伝わりますよね。
ですからもちろん、看護師転職の面接では、他にも応募しているところがあるかと聞かれたなら、ここが第一志望だと伝える方が好印象です。
【4. 「経歴と実務経験を教えてください」 】
看護師の転職では、面接で「経歴」アピールは不可欠です。分かりやすいアピールのためには短めにまとめる方が伝わります。
[ 看護師転職時の面接☆経歴と実務アピール ]
★ 例:○○病院の○○科の病棟看護師として5年の経験があります。その間、3年目にはプリセプター、4年目にはチームリーダーを務め、チーム医療の大切さを学びました。
夫の転勤を期に転職し、現在の病院のICUで、2年勤めております。こちらでは様々な科の患者様の対応を行い、幅広い知識を得ることができました。
看護師転職シーンでの面接なら、たくさんの経歴や実績があっても、ダラダラと話すと内容が伝わりにくく良くありません。特にアピールしたい部分にポイントを絞って伝えられるよう、予めまとめてみてください。
【5. 「当院でやりたいことは何ですか?」 】
看護師転職の面接では、「当院でやりたいこと」は定番の質問ですが、自分から志望動機の質問の時に答えているケースは多いです。相手が納得できる流れになるよう、志望動機とセットにして考えてください。
[ 看護師転職時の面接☆「やりたいこと」で自分の経歴をアピール ]
★ 例:今までは○○科のクリニックで働いていましたが、これからもっと専門性を高めるために同じ○○科の病棟で働きたいと思っております。
そしてゆくゆくは御院の支援制度を利用させていただき、認定看護師の資格を取得したいと考えております。
看護師の転職ですから、面接ではスキルアップやキャリアアップなどのビジョンも盛り込み、転職先に貢献できるような内容にすると、さらに好感触でおすすめです。
【6. 「あなたの看護観を教えてください 」 】
看護師が転職の面接で、最も難しく感じる質問がこの「看護観」です。ここに答えはなく、それぞれに想いがあるからです。そのために、相手に共感を得ることがポイントですが、そのためには①「自身の体験を交えながら」②「自分の考える看護」をアピールします。
[ 看護師転職時の面接☆「看護観」 ]
★ 例:私は迅速な処置や対応が出来る看護師になりたいと思っていました。
それはもちろん大事なことではありますが、実際に看護師として働く中で、まず一番に大事なことは患者様の痛みや辛さ、不安に耳を傾け、それが治療や回復を良い方向へ持っていくことが出来る方法だと実感しました。
常に患者様に寄り添える看護師であることを心がけております。
看護師転職時の面接と言っても、ここはあまり難しく考えず、「どんな看護師(看護)を目指しているか」をストレートに表現することができれば大丈夫です。そうすれば、看護師としてあなたが信念を持っていることが伝わります。
また、看護師の転職ですから、面接では相手側の看護方針もしっかり確認しておくことも重要なポイントです。
【7. 「自己PRをお願いします」 】
看護師の転職に限らず、面接での自己PRは言わば「自由項目」です。ですからここでは、他の質問の答えよりも積極的に、「自分の経験と自分の一番の売り」をアピールしてしまって大丈夫です。
[ 看護師転職時の面接☆積極的な自己PR ]
★ 例:私は幼い頃から好奇心が旺盛で、探究心もありました。
看護師は1つの職業ですが、その中には色んな専門分野があり、その1つ1つを奥深く学ぶことの出来る職業ですので、とても自分に合っていると感じております。
今まで整形外科に5年、産婦人科に2年の勤務経験がありますが、その他の科も積極的に学びながら、今までの看護師としての知識と経験を生かして仕事に励みたいと思っております。
自己PRと長所と似ていますが、良い所だけを伝えるのではありません。看護師の転職での面接なら、失敗も含めた「今までの経験」を踏まえて、「看護師としての一番の売り(ポイント)」を伝えていくように組み立てます。
【8. 「あなたの長所(強み)は何ですか?」 】
看護師転職の面接では、「長所(強み)は」と聞かれたら、「どのようなシーンでその長所を生かすことができるのか?」まで、面接官がイメージできるようなアピールが有効です。
そのためには、実際の体験談を交えた長所アピールすると、現実味を帯びてイメージしやすく、伝わりやすくなります。
[ 看護師転職時の面接☆長所をアピール ]
★ 例:私の長所はコミュニケーション力だと思います。
人の話を傾聴し、その人の気持ちを読み取り、お互いの心を開いていくことが出来ます。周りからは人当たりが良く、話しやすいと言われます。
前職場では患者様はもちろんですが、他職種の方とも良い関係を築いておりましたので、意見を出して話し合いやすく、業務改善にも積極的に取り組み、良いチーム医療を行うことが出来ました。
日常のシーンでもイメージできる体験談はありますが、できれば入職後の仕事の様子がイメージできるよう、仕事上の体験談がおすすめです。
【9. 「あなたの短所(弱み)は何ですか?」 】
看護師の転職時の面接では、「短所(弱点)」を尋ねられるケースが多々あります。この質問の目的は「いかに自分を冷静に、俯瞰(ふかん)して見ているか」を見るためです。
時に救急医療など、あらゆる事態でも冷静に対応すること…、パニックにならずに動くことができるためには、自身を冷静に見る「俯瞰(ふかん)」の力は不可欠です。
ですからこの質問では、「自分の苦手な所を自覚し、どんな対策を取っているか」をアピールします。
[ 看護師転職時の面接☆冷静な自己分析と対策 ]
★ 例:忙しくなると仕事の優先順位がわからなくなってしまい、業務の流れに支障をきたし、上司に指摘されることがありました。
そのことを自分で自覚してからは、どんなに忙しくてもやるべきことを一旦メモにするようにしています。
活字にすることで頭の中が整理しやすくなり、業務もより丁寧に、スムーズに運べるようになりました。
ですから、看護師が転職する時の面接では、ただ短所を言うだけでは足りません。
①「自分の短所をしっかりと自覚」した上で、②「どのような策を講じているのか」までの、③「フォローを伝える」ことが大切です。そうすることで、その看護師が向上心を持って働いていることが、自ずと相手に伝わります。
【10. 「何か質問はありますか?」 】
看護師転職時の面接に限らず、この質問が面接のクローズに使われますよね。「良く伝わりましたので、質問はありません。」でも問題はないのですが、せっかくですから、「意欲が伝わるような仕事内容」を聞いて、最後にアピールして閉めてみてはいかがでしょうか。
[ 看護師転職時の面接☆意思が伝わる質問とは ]
★ 具体的には、下記のような質問は意欲が評価されやすいです。
・ 例1: 具体的にどのような業務を任されるのでしょうか?
・ 例2: 勤務するまでに行っておくことはありますでしょうか?
・ 例3: 認定看護師の資格を取得したいと思っておりますが、その支援制度を具体的に教えていただけますか?
看護師転職シーンでは、面接でのこの「最後の質問」で、積極的に逆に質問することで、その職場で働きたい本気度をアピール出来ます。
もちろん、意欲をアピールするための「逆質問」ですから、条件や待遇ばかりでは逆効果です。その点重視で転職したいのかと思われてしまいます。条件の質問は控えめに、仕事内容での質問で積極的に働きたい気持ちを伝えてください。
【 最後に 】
いかがでしたでしょうか、今日はいくらベテランの看護師でも緊張しやすい、転職時の面接ポイントをお伝えしました。もちろん看護師は転職での面接の場合、今までの経験や経歴が何よりのポイントです。
今回は看護師が転職での面接時に受けることの多い10の質問に沿って、解説をお伝えしましたが、面接全般に関しては別記事「看護師転職での面接☆好印象を与える5つのポイント」でも詳しいので、ぜひ、併せてご参照ください。
看護師が転職する時の面接なら、その前に不安に押しつぶされて、「有効なアピールができない!」なんて自体を避けるよう、前日の夜には、静かにこれまでの看護師人生を振り返ってみてはいかがでしょうか…。
そのことで、質問に対する自分の信念を自然にアピールすることができ、面接官の心にも届くかもしれません。
ぜひ本記事も参考にしながら、「どうして転職をしたかったのか」「看護師としての理想像は何なのか…」を棚卸しし、まとめてみてはいかがでしょうか。