看護師の転職では志望動機で充分に納得してもらうことが、成功の近道ですよね。
特に実際の本音では、「人間関係に疲れた」「嫌な人がいる…」などなど、割とネガティブな要素が多いために、いかにこれらの理由をポジティブに変え、過去の経験をアピールポイントへ転換できるか…、がポイントです。
…とは言っても、多くの看護師転職の現場では「志望動機にウソがある」として、何となく後ろめたかったり、不安を抱える声も少なくありません。
そこで今日は、そんな看護師の転職での志望動機を、本心から伝えながらも、相手が充分に納得するようなポジティブなものに変換できるよう、5つのケースをお伝えします。
看護師転職での志望動機☆
病院側から見た3つの本音
採用側が実際に重要視しているのは…
本サイトでも「看護師の転職では志望動機が重要」とお伝えしてきましたが、これは言い方を変えると、「長く働き続けてくれるかどうか」を見ている…、とも取れます。
現場を知る看護師なら薄々でも気づいているとは思いますが、今、看護師の離職率は非常に高いのが現状です。
看護師転職サイトでは多くが「新人ナースは、少なくとも3年以上働いてから転職をするべき」と伝えていますが、勤務年数が少ない内に転職をしているナースは、それだけ「長く続かない」と思われやすいためでもあります。
ですから確かに看護師転職で志望動機は大変重要な要素ですが、続けてくれる目的と意志がハッキリしていれば、採用側も安心です。
これよりも、看護師転職では志望動機よりも重要視しているのは「スキル」と考えてください。スキルの必要がなければ、新人ナースでも良いのですから…。
【 看護師転職、志望動機よりも大切な要素とは 】
★ 病院側の本音ではこうです。
「その看護師のどんなスキルや経験が、うちの病院で(科で)どのように役立つのか…。」
「この看護師は病院の事情に対する対応力があるのか…。」
…特にこのような事柄です。
前者のスキルや経験を転職先で生かすことは、看護師にとっては当然ですよね。一方、後者に関しては「?」と感じる方も多いかもしれません。
これは例えば、人間関係やチームワークの意識です。その病院がチーム医療を重要視している職場であれば、チームワークを大切にする看護師なのかどうかが重要になってきます。
一方、救急救命病棟など切迫した現場で、咄嗟の判断を求められる場合には、一人でもしっかりと処置できる能力が不可欠です。
この他にも、精神科であればさまざまな患者様に寄り添う必要がありますから、忍耐力や寄り添う力を求められるかもしれません。
【 看護師転職の志望動機では、職場への理解が不可欠 】
★ そのために、看護師転職での志望動機は出来れば…、
① 自分の今までの経験やスキルと繋がりがあったり
② 退職理由と志望動機がひとつのストーリーとして繋がる
…ものであると理想的です。常に転職先の現場をイメージし、「そこで自分がどのように貢献できるのか、貢献したいのか」を念頭においた、看護師転職での志望動機がポイントです。
ストーリー性のある志望動機を
前項で離職率が高いことはお伝えしましたが、病院側としては慢性的に人手が足りない状況が全国的に続いているため、「来てほしい」と思っていますし、「長く続いて欲しい」と願っています。
しかも長年医療現場で働いていれば、大抵の離職理由が「ネガティブであること」は充分に理解している面接官は少なくありません。
ですから、実際に面接で志望動機を聞く時には、その内容自体よりも「その看護師の人間性」を覗こうとしているケースは意外に多いです。
「覗く」なんて人聞きが悪いですが、ハードワークで患者様へ奉仕する看護師の現場では、時に心に余裕がなくなりギスギスしてしまうことも増えます。
ですからいかに人間関係を崩さずに、より質の良い医療を目指すことが出来るスタッフを集めるか…」は採用側として、思う以上に重要です(職場の雰囲気で離職率も大きく変わります)。
…ですから、看護師転職の面接では志望動機で、面接官の「心を動かす」ことができるような、人間力をアピールできる内容は好ましいかもしれません。
【 看護師転職の志望動機には、「ストーリー性」を持つ 】
★ 「心を動かす」と言っても、ドラマティックな内容を求めている訳ではありません。前項でお伝えしたように、「つじつまが合う」「納得できる」志望動機にすることが大切です。
→ そのために役立つのは、ストーリーを紡ぐ上で欠かすことの出来ない「起承転結」です。
(起)がん病棟で5年以上のキャリアを持つ看護師
(承)術後の痛みや副作用に苦しむ患者様の様子を見ながらも、何も手助けができない自分にふがいなさを感じた
(転)がん患者の痛みを和らげたい、人としての尊厳を保ちつつ、最期を迎えていただけるような看護がしたい
(結)がん病棟で長く働いてきましたが、思い切って緩和ケア病棟への転職を決意した
…これはがん病棟で勤務してきた看護師が、緩和ケア病棟へ転職する時の「起承転結」の事例ですが、このように簡単に並べるだけでも、納得できる、「心が動く」志望動機になったのではないでしょうか。
転職ならば勉強は自分で
看護師が転職する時、志望動機に「勉強させてください」などの一文を添えることがあります。
確かに人間的に一歩下がった「謙遜」として捉えれば好印象でもなくはないのですが、これが本心で書かれているならば…、病院側としては少し躊躇してしまうかもしれません。
人手不足の忙しい現場では、新人ナースの研修や教育に時間が掛かると、それだけ、他のナースに負担が掛かります。
今では前述したような「離職率の高さ」もあって、せっかく1年掛けて即戦力のある看護師として成長したところで、あっさりと退職してしまうケースも多いです。
そのために、看護師転職の現場では志望動機が「勉強」よりも経験を生かしたキャリアアップが好まれます。経験のある看護師には「自分で勉強して欲しい」と言うのが、厳しいですが病院側の本音なのかもしれません。
【 未経験分野への看護師転職を目指すなら 】
★ もしも未経験分野で本心から「一から勉強をしなければ、仕事が不安」と言う思いがあるのなら、「プリセプターシップ」があることを募集要項などに掲載している病院だと、より安心です。
→ プリセプターシップ(プリセプター制度)とは、先輩ナースがひとり新人に付いて相棒となり、手取り足取り業務内容を教えてくれる制度を指しています。
募集要項で敢えて掲載しているのですから、多少不安があっても対応してくれる病院と捉えることができます。
またブランクがある看護師であれば、自治体などで行っている「看護師復職支援制度」を利用して、忘れてしまった内容を復習してから、復職活動に挑むのもおすすめです。
看護師復職支援制度を終えた後、自治体で復職・転職をサポートしてくれるプログラムも多くあります。
※詳しくは「ブランクから看護師が復帰☆嬉しい復帰支援制度を活用」や「ブランクがある看護師の安心復帰☆職場選びのポイント」などをご参照ください。
いかがでしたでしょうか、今日は看護師の転職で重要と言われる志望動機について、病院側から見た本音と対策をいくつかお伝えしました。
医療現場にいる多くのスタッフが肌で感じているように、病院側としても、決して離職率の高い看護師の転職理由や志望動機が、全てポジティブなものであるとは思っていません。
ただ病院側としては採用したら、長く勤務して欲しいと思っているので、「長く仕事を続けたい」アピールは有効です。
最後に「勉強させてください」はあまり良い印象ではない話をしましたが、これが「キャリアアップをすることで、長く意欲的に働き続けたい」と言う意思表示であった場合には、とても喜ばれたりもします。
「キャリアアップするための研修制度はありますか?」「後々は新人ナースも教育できるようにキャリアアップをして行きたいです」など、未来を見据えた「勉強したい」気持ちはアピールすると良いのではないでしょうか。
まとめ
看護師の志望動機、病院から見た本音とは
・志望動機よりもスキルや技術を見る
・(この)職場への対応能力を見る
・志望動機にストーリー性があると納得できる
・自分で勉強する意志力は意外に重要
・長く仕事を続けたいアピールは有効
・キャリアアップへの意欲は好印象