看護師の転職成功には、説得力のある志望動機は不可欠です。けれどもどうしても看護師が転職する「本音の」志望動機は、人間関係の行き詰まりや「夜勤や残業に疲れ果てて…」などの声が多いですよね。
これは医療関係者であれば誰もが想像できる事柄ですが、だからと言って、面接時にそのまま話してしまっては、「すぐに根を上げる人なんだ」とか愚痴っぽく聞こえてしまい、マイナス評価を受けてしまいます。
そんななかでもある程度は本音で、でもポジティブに伝えつつ、積極的な転職として評価を得たいですよね。
そこで今日は、看護師の転職成功には欠かすことのできない「志望動機」の注意ポイントとポジティブに伝わる方法をお伝えします。
看護師の転職成功は志望動機☆
注意する5つのポイント
隠しても本音は見え隠れする
人間関係やハードワークに疲れて看護師が転職をしていると、志望動機をいくら偽っても、ここかしこに本音がこぼれてしまいがちです。そうでなくとも、どこか「負のオーラ」が漂ってしまいます。
そのため、一度思い切って時間を取り「退職したい気持ち」と向き合って、ネガティブだった退職理由を自分のなかでもポジティブに変換させ、それを志望動機へと繋げることで、嘘のない誠意として伝わる可能性が高いです。
【 看護師転職での志望動機のポイント① 】
★ まずはネガティブでも良いので、退職理由を「棚卸し」して、ポジティブ変換をしてみると効果があります。例えば…、
その1)退職理由の棚卸し
・職場で悪口や陰口、派閥に疲れた(人間関係の悩み)
・毎日残業のハードワークで精神的に追い詰められた(勤務形態の悩み)
・毎日余裕のない忙しい勤務状況なのに、給与に反映されない(待遇の悩み)
その2)「次の職場でどうしたいか」(ポジティブ変換)
・チームで患者を支えるような仕事がしたい(人間関係の希望)
・精神的にも余裕を持って患者と寄り添う看護がしたい(勤務形態の改善による変化)
・資格や専門的な知識、経験を身に着けて、スキルアップしたい(待遇改善に伴うキャリアプランニング)
…などなどと言い換えることができます。
今の職場で悩み、不満を感じているからこそ看護師転職に踏み切るだけに、志望動機は「では、次の職場ではどのような働き方がしたいか…」とイメージしてみてはいかがでしょうか。
そうすることで、ネガティブな退職理由もポジティブに変わり、そのまま志望動機へと膨らませることができます。
意外に多い「人間関係の悩み」には
オーバーワークで燃え尽き症候群になってしまう…、と言う退職理由も多いのですが、(だからこそ職場の人間関係に余裕が生まれず、ギスギスするとも言えますが)、意外にも人間関係による退職は多いです。
看護師の人間関係の悩みには、大きな輪2種類があり、ひとつは孤立、もうひとつは職場の派閥や悪口陰口、いわゆる「パワハラ」などがあります。実態をしっかりと掴まなければ極端な表現になりますが、その背景には「いじめ」もあるかもしれません。
このような人間関係の悩みは、例え同情に値するものであっても面接ではマイナス評価にしかなりません。
…では、どのように看護師転職でポジティブな志望動機へと変換すれば良いでしょうか。
【 看護師転職での志望動機のポイント② 】
★ 退職理由が孤立による場合
… 「前職ではそれぞれが責任を持って「自立した」看護を求められてきました。けれども〇〇でチーム看護を経験し、チームで患者を見守り寄り添う看護の形に共感を覚えました。
こちらの病棟の様子を拝見した時、スタッフの皆さまがチームワークのなかでそれぞれの役職を全うしている姿に触れ、感銘を受けました。」
…このように、孤立=「自立した」「独立した」仕事と表現し、コチラも肯定する一方で、良い人間関係=「チームワーク」として、応募先の病院のスタッフを称えつつ、ポジティブに希望を伝えることができます。
退職理由が後者の「派閥や陰口・悪口」、「パワハラ」などであれば、その反対…、それぞれが自立した仕事とすれば、スタッフ同士の距離感が伝わるかもしれません。
【 看護師転職での志望動機のポイント③ 】
★ 人間関係による退職の場合には、「その悩みによって、現場でどのような弊害が生じていたか」を思い出し、理想を導き出すと共感を得やすいです。
例)
・スタッフの連携で患者を支える現場で働きたい
・看護のスキルを高め、サポートがなくても自信を持って質の高い看護ができる看護師になりたい
・それぞれが看護の質を高め合える環境で、チームワークを問われる看護がしたい
…などなどが挙げられます。
ハードワークで疲れた時には
今では医療業界の慢性的な人手不足が原因で、看護師転職の現場で「ブラック病院」との言葉も産まれるように、もともと夜勤が多いなかで残業残業の毎日で、実際に常軌を逸した勤務状況も見受けられます。
このような病院こそ、ギリギリのスタッフ数で病院を回していますので、転職の意向を伝えても引き止めも多く辞めにくい状況がある他、パワハラとも言われかねない状況があることも否めません。
とは言え、面接は問題提議の場ではありませんので、看護師が転職時に志望動機で前職のブラック具合を伝えることは、場違いとも捉えられます。
それだけではなく、「ホワイト」病院でも「すぐに辞めてまた、私たちの病院も悪評を広げられるのでは…」と、不安要素にもなり兼ねません。
【 看護師転職での志望動機のポイント④ 】
★ けれども本当にブラック病院に勤めていたのであれば、具体的な数字を出してみるのも一案です。この時、下記のような注意点を意識してください。
・転職希望先の病院の労働時間や状況もチェックする
・前職での労働時間を確認して、具体的な数字を出す
・長時間労働によって現場に支障が起きた体験があれば、それも伝える
・長時間労働に対して自分が行った対策を伝える
以上のことを注意したうえで、「次の職場でどうしたいか」へと繋げます。
例)
・長く勤務できるような環境で、しっかりとキャリアアップしたい
・患者様に寄り添うことのできる、余裕のある看護がしたい
・長く看護師として働き続けたい
…看護師転職での志望動機は、このようなポジティブな内容で締めくくります。
医療現場への転職では避けたい退職理由
…このように退職理由の「本音」が、例えネガティブなものであっても、その奥深くまで自分を掘り下げていくことで、看護師転職ではポジティブに変換することができます。
けれども、どうしても面接時に避けられがちな退職理由=志望動機がありますので、ここは注意をしてください。
【 看護師転職での志望動機のポイント⑤ 】
その1)病気など体調不良による退職
…本人はハードワークがたたって体調不良になったことを強調したい場合でも、採用側としては、シビアな医療現場で耐えうる体力・健康状態にあるのかが気になります。
特にうつ病など、精神的な疾患に関しては、医療現場では精神的に弱いと生死に関わる現場も多いだけに、特に敬遠されがちです。面接と言う短時間で理解してもらうにはリスクが伴いますので、注意をしてください。
その2)恋愛による退職
…これが寿退職であったり妊娠・出産を経ての復帰であれば問題はないのですが、職場恋愛であったり同棲などで退職をしたとなれば、「感情的に動く傾向があるのではないか」と避けられがちです。
その3)医療現場に対する拒否感
…看護師に限らず医療現場は患者の生死に関わる仕事ですよね。皮膚科など、そこまで生死に関わる現場にいなくても、人の暮らしや人生に大きく影響する職種です。
そこで、その責任感への拒否感や、患者との関わりへの悩みを吐露すると、「では、違う職種へキャリアチェンジした方が良いのでは?」と思われてしまっても、仕方がありません。
…このような内容は、看護師転職の面接でも志望動機へ変換しても、なかなか良い方向へは伝えきれない傾向にあります。
ただ体調不良による退職にケースでは、今は回復して現在は充分に体力もあり、元気に働くことができることをアピールすることで、理解してもらいやすいです。
いかがでしたでしょうか、今日は看護師の転職では重要な「志望動機」についてお伝えしました。
多くの面接で、看護師の転職では志望動機の前に退職理由を聞かれますが、この「退職理由=志望動機」となるような流れが望ましいです。
いくら志望動機でそれらしい言葉を並べても、退職理由がネガティブなものであれば、「言葉ばかり…」とも捉えられ兼ねません。そして本人も、退職理由や志望動機にウソがあれば、上手く自分をアピールできません。
面接側は退職理由や志望動機を通して、その看護師の医療への考え方や、今後看護師として働き続けたいかどうかの意欲(すぐに辞めずに長く続けてもらえるか)、入職後の姿勢を見ています。
そのため看護師が転職するのなら、どうぞ志望動機を通して、改めて自分の望む、向いた働き方や医療への考え方を棚卸ししてみてはいかがでしょうか。
まとめ
看護師転職で成功する志望動機のポイント
・いくら取り繕っても本音は見え隠れする
・ネガティブな退職理由をポジティブな志望動機へ変換する
・人間関係での悩みは「どんな現場で働きたいのか」
・ハードワークなら現職の勤務時間を具体的にメモする
・ハードワークで起きた現場の弊害を整理する
・余裕ある勤務形態によって質の良い看護をしたい
・ハードワークでは「長く看護師を続けられる環境」
・待遇への不満なら、キャリアアップによる評価を目指す
・精神的な体調不良、恋愛、責任逃避の退職理由は避ける