沖縄の看護師収入の目安は、全国的な平均とは大きく変わりますよね。
全国的な平均を取った目安を元に「看護師の収入差☆経験や職場で違う5つの相場」をお伝えしましたが、沖縄に限らず看護師収入の目安は、地方によってさまざまです。
また他のエリアでもそうであるように、沖縄の看護師収入にも、職場によって特徴的な差があります。
せっかく努力をして看護師になったのなら、それだけ恩恵を受けたいですよね。そこで今日は、沖縄の看護師収入、職場や働き方、立場など、5つの視点から相場を比較検討してみます。
沖縄の看護師収入☆
職場や立場で違う5つの相場
職場の形態で見る、沖縄の看護師収入相場
全国的にもひと家庭における子どもの人数が多いとされる沖縄では、看護師も子育て世代が多いです。そのために勤務時間に夜勤や残業がなく、計画的に安定して仕事が出来る施設が、看護師に人気があります。
例えば、診察がメインでベッドのないクリニックや、重症患者がおらず計画的な入所が多い介護関連施設などが人気です。
沖縄県は高齢者数も多いため、老人ホームなどの介護関連施設とのニーズは合っていると言えます。この他にも沖縄では、訪問看護の仕事も比較的多い傾向です。
【 沖縄の看護師収入を比較☆職場の形態での違い 】
・ 病院 … 約450万円(診療科目によって大きく違います。)
・ クリニック … 約410万円
・ 介護関連施設 … 約420万円
・ 訪問看護 … 約530万円
《 医療現場以外で働く 》
・ 保育園や療育園など … 約450万円
・ 企業ナース … 約750万円
…このように、全体的にどの職場形態でも400万円台が主流で、全国的な看護師収入の目安と比較してしまうと、低くなってしまうことは否めません。
ただ、全国的には過酷な労働環境の病院と、保育園などで働く看護師では収入差が激しいことに対して、沖縄では比較的看護師収入差が少ないために、子育て時代になっても、ワークライフバランスを保ちやすい側面があります。
(とは言っても、やはり残業や夜勤が少なくなりますから、手当が減るなど、全国的な収入差ほどではないものの、違いはあります。)
沖縄の医療施設での看護師収入では、唯一訪問看護の目安が500万円台と高めですが、一方で「超高齢者」が多い沖縄の訪問看護の現場は、忙しさも伴います。
なかには「オンコール」と呼ばれる、24時間電話を受けたら出勤をする勤務形態を取る看護師もいますので手当も付き、それだけ沖縄であっても看護師収入の目安は高いです。
また、訪問看護の現場では生死に関わることも多く、精神的なストレスばかりではなく、死期の近い患者のケアを行う「ターミナルケア」の知識や技術など、専門的な技術や知識も必要になってきます。
現場で働きながら、これらの技術や知識を身に着ける方も多いのですが、やはり医療現場では、収入が高いのにはそれだけの理由が伴うことは、意識しながら就職・転職活動を続けた方が、後々スムーズかもしれません。
企業ナースの収入が格段に高い理由
沖縄でも本州に本拠地を置く製薬会社は、東京を基準とした給与形態を取っているケースが多いため、沖縄の施設よりも看護師収入も含めて高い傾向があります。
沖縄県で求人の多い「企業」は、多くが製薬会社ですので、製薬会社の営業社員などと同じく、看護師も給与が全国基準で割高です。
特に製薬会社に勤める看護師は、「看護師」と言う経験と専門的な知識と技術を持った人材を採用しています。ですから企業に勤める看護師には、病院など医療現場で働いていて、転職した人々が多いです。
沖縄で企業ナースが活躍する職種は、主に「CRC」ではないでしょうか。「CRC」は薬の検査を補助する「治験コーディネーター」を指しています。
【 沖縄の看護師収入を比較☆CRC 】
★ 「CRC(治験コーディネーター)」は、薬の治験に関わるサポートやモニタリング、治験後のレポート提出など、幅広い業務をこなします。
→ CRCになるために資格は必要ないものの、医療系の資格を持った人材の採用がメインで、前職は現場で勤めていた方が多いです。看護師以外の医療系資格で多いのは臨床検査技師が圧倒的で、この他薬剤師の方も見受けます
CRCとして入社した当初の給与平均では24万円~26万円、現在では2013年頃からCRC採用人数は減りつつありますが、まだまだ需要の高い分野です。
詳しくは別記事「沖縄で看護師の収入UP!治験コーディネーターとは」でも詳しくお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
【 沖縄の看護師収入を比較☆MR 】
★ また、同じく高収入が期待できる製薬会社の職種では、病院などを対象に薬の営業を行う「MR」もあります。看護師として働いていれば、交流もあったのではないでしょうか。
→ こちらも看護師としての経験や人脈、知識などが営業に役立つため、看護師資格や経験を生かした転職ができます。
ただ人気が高い職種なので競争率も高いです。また、CRCに入職した看護師の声では、治験のために毎日あっちの病院こっちの病院と、移動が多い企業もある点も意識して就職、転職活動をしてください。
勤務形態による、沖縄の看護師収入の目安
沖縄だけではなく看護師の収入は、基本給にさまざまな手当が付いて、月々の給与が上がる傾向にありますから、やはり夜勤手当による収入差は大きいです。
ただ、全国的な看護師収入の記事と重なりますが、夜勤が増えるとそれだけ「不自由も多くなる…。」と言う現場の声は多く、看護師の退職理由でも上位にのぼります。
ですから、「夜勤のみ」などの勤務形態もありますが、決める前に「果たして夜勤を増やしてまで、収入を上げる必要があるのかどうか…。」は検討した方が良いかもしれません。
【 沖縄の看護師収入を比較☆勤務形態 】
・ 夜勤ありの常勤 … 約460万円
・ 夜勤なしの常勤 … 約395万円
・ 夜勤のみの常勤 … 約480万円
全国的な看護師収入の相場の記事「看護師の収入差☆経験や職場で違う5つの相場」と同じく、沖縄でも夜勤手当は(通しで)約1万円とされていますが、沖縄では職場によって手当もピンキリです。
前述したように沖縄は高齢者の割合が多いため、老人ホーム・有料老人ホーム、高齢者住宅などが多数あり、このような施設で「夜勤のみ」や「夜勤専従」の看護師求人が多く発見できます。
もともとお金に余裕のある老人が入るような有料老人ホームや、高齢者住宅などでは、比較的夜勤手当や給与も高い傾向にあるのが特徴的です。
ただし、オンコール(電話一本で出勤する)などの条件がある施設も多いので、(オンコールに手当は付く施設が多いものの、より生活が制限されるため)、条件には注意をしながら検討すると良いかもしれません。
沖縄の看護師収入、助産師資格でUP?
高齢者を対象とした施設での夜勤勤務が、沖縄の看護師収入としては、比較的高収入であることはお伝えしましたが、沖縄の出産率は全国的に見ても群を抜いていることはご存じでしょうか。
沖縄に暮らしていると薄々と実感している方々も多いかもしれませんが、沖縄の出産率は2019年度まで、何と「45年連続で全国1位」!
2018年度では千人当たり11.0ポイントで、全国と比べると3.6ポイントも高いと言う…、安定した高い出産率です。ですからそれだけ、沖縄では産婦人科ナースの需要が高く、助産師は給与も高い傾向にあります。
【 沖縄の看護師収入を比較☆助産師資格 】
・ 看護師/準看護師 … 約440万円
・ 助産師 … 約535万円
…助産師資格を取るまでには長い道のりがありますが、助産師になることで約100万円近くも相場が変わるとは驚きです。
ただし助産師は出産の現場に居合わせるために、助産師が多くチームワークを潤滑にしてスムーズな交代が出来る現場もありますが、職場によっては時間の自由が少ない、夜勤が多いなど、忙しくなるかもしれません。
診療科目による、沖縄の看護師収入
また、助産師に限らず産婦人科で働く看護師も収入は高い傾向にあります。ここで、他の診療科目との比較をしてみます。
【 沖縄の看護師収入を比較☆診療科目 】
・ 内科 … 約440万円
・ 胃腸内科 … 約300万円
・ 外科 … 約450万円
・ 小児科 … 約420万円
・ 救命救急科 … 約480万円
★ 産婦人科 … 510万円
こちらも胃腸内科の他、人間ドックや検診、神経内科、リハビリテーション科など…、急患対応や患者の急変がほとんどなく、診察人数も日々調整ができるために残業がないことが多い診療科目では、沖縄も看護師収入は低め傾向にあります。
いかがでしたでしょうか、今日は全国的な看護師収入に引き続き、沖縄の看護師収入の目安や特徴をお伝えしました。
基本的には全国的な看護師収入と傾向は似ているのですが、高齢者対象の施設や産婦人科の需要は高め傾向にあります。
余談ですが、沖縄の出生率が45年連続1位であることはお伝えしましたが、一方で死亡率は2018年まで、17年連続で全国最低の記録です。…つまり、高齢者は元気で、赤ちゃんがどんどん産まれる県…、と言うことになります。
沖縄では育児期間後に職場復帰をする看護師も多いですよね。ブランクがある看護師を積極的に受け入れている職場では、看護師収入は平均的に420万円前後が相場、託児所を設けている施設も発見できます。
まとめ
沖縄の看護師収入の目安や違い
・病院勤務約450万円/クリニック勤務約410万円
・訪問看護ナースの目安が約530万円と高い
・治験コーディネーターの収入が高い
・夜勤なし約395万円/夜勤専従約480万円
・有料老人ホームなども高い傾向がある
・看護師約440万円/助産師約530万円
・内科勤務約440万円/産婦人科勤務約510万円